ひとごと部ってどんな部?

ひとごと部ってどんな部?

ひとごと部とは人事部のことでした

社員達がときどき口にする言葉「ひとごと部」とは人事部のことでした。
なぜ人事部のことを「ひとごと部」と呼ぶのか?
先輩社員達に質問してみてその訳がわかりました。
それは外資系の人事部というのは社員達に対して一切人事権がないからです。
では誰が人事権を持っているのか?
それは直属の上司です。
あなたの社内における生殺与奪の権利ははあなたの直属の上司が握っています。
日本の会社の事情についてはあまり詳しくありませんが、聞くところによると、日本の会社の人事部は社内で絶大な権利を持ち、役員以外の人事権すべてを持っていると聞きます。
そのために人事部長というというと、社内でももっとも優秀な社員が就任すると聞きます。
ではいったい外資系の人事部は何をしているのか。
一つは社内の様々な部署から人材募集の依頼を受けると、その候補者を探してきてその部署に推薦します。
ただ、最終的にその人材を採用するかしないかは、その人材が所属するであろう部署の長が下します。
その他の人事部の仕事としては、社内で組織変更があった場合にその事後処理をしたり、人事に関する事務手続きをしています。
要するに、入社してしまえば、社員は人事部とはあまり接触機会が無くなります。
そのために、社員達は皮肉交じりに人事部を「ひとごと部」と読んでいるのです。
もちろん、人事部の有り様は会社によって多少違うと思いますが、基本的に外資系の人事部は日本の会社の人事部とは大違いです。

 

それでもあなたが外資系へ入社を希望する場合の最初の関門は人事部であることに変わりはありません。

外資系が人材を採用する場合はまず、採用予定の部門から人事部に採用したい人材の概要を伝えられ、それに従って人事部は人材紹介会社などを通して応募者を募ります。
そして、候補者を選びだし、採用予定部門の長に推薦します。その候補者の中から採用予定部門の長は面接などを通して候補者を絞り決定します。あくまでも採用は採用予定者が所属する予定の部門の長が行います。人事部はその決定に従って事後処理をするだけです。

というわけで外資系では直属の上司が一番怖い存在です。

では、なぜ外資系では各部門の長が部下の人事権を持っているのでしょうか?それは基本的に日本の会社は組織で動き、組織で成果を出すのに比べて、外資系では個人で成果を出さなければならないからだと思います。
すなわち、あなたがどこかの部門の長だとすると、あなたはあなたのチームを使ってあなた自身の成果を出す必要があります。成果を出すためにはあなたのチームを好きなように動かす実用があります。
すると、時には、自分のチームを強化するために、自分が雇いたい人をスカウトしてくる場合もあります。極端な話をすると、ある部長(外人)は自分が飲みに行ったバーでそこのホステスをスカウトしてきて自分の秘書にしてしまったという話もあります。
これはある意味あなたはどんな方法でもって成果を出してもかまわないが、失敗すればお払い箱だという外資系の風土から来ているものと思われます。

このような人事制度がもたらすものとは

ホステスをスカウトするというのは極端な例ですが、部下を持ってある部門の組織を運営している場合、自分の知り合いを連れてきて採用すると言うことが可能になります。いわゆるコネで入社することが可能になります。
実際、僕がいた会社でも出入り業者の担当者が、がある日、突然、社員として隣に座っていたということが何度か起きました。まるで中小企業のような出来事が世界に冠たるグローバル企業で行われているのです。

社内で一番危険なポジションは?

それは、ずばり、副社長という地位です。なぜかというと、例えば、新しく社長が赴任してきたとき、その社長はいち早く自分のチームを作りたがります。すなわち自分のそれまでのチームを新しい地位に就いたときにも連れてこようとします。それによって早く成果を上げて自分の地位を確かなものにしようとするわけです。さっさと成果と出さないと社長などすぐにお払い箱になってしまうからです。
こういう現実を見せ付けられると、今、説明したように外資系では上に行けば行くほどどんどん厳しくなります。とということは、あまり出世などしない方が幸せに外資系社員を楽しめるかもしれません。まあ、それは人それぞれです。

金魚の糞と呼ばれる人たち

外資系の人材採用の仕方が日本企業と大きく違うことから起こる”金魚の糞”と呼ばれるる人たちがいます。それは幹部が採用されるときにときどき発生します。
なぜ”金魚の糞”か?
それは幹部が採用されるとき、まれにその幹部が前にいた会社で部下だった人を連れてくることからそう呼ばれているそうです。
僕は金魚の糞など見たこともありませんが、金魚の糞に詳しい人に聞いたところ、金魚の糞は全部つながって出てくるそうです。
よって、幹部が採用され他時、一緒について来た人がそう呼ばれるようになったそうです。
日本企業ではあり得ないことでしょうが、これも外資系独特な現象だと言えます。

外資系での人事異動はどのように行われるのか

ではここで外資系の人事異動はどのようにして行われるかを説明しておきます。
社内で大きな人事異動が行われる場合、各組織の本部長が中心となって行われます。人事異動は基本的にマーケティング本部はマーケティング本部内で、財務部門は財務部門内部でと、それぞれ行われます。もちろん、時には部門を超えての人事異動もありますが、きわめてまれです。
で、人事が固まると、その後の処理を人事部が行います。人事部は社員の昇進やや移動には全く関与しません。聞くところによれば、日本の会社では社内の移動や昇進、昇給などにも細かく人事部が関与してくると聞きます。

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